ふとした瞬間に
思いもかけないときに
永遠に失われてしまうものがある
それは唐突に
夏の夕立のように現れて消えてしまうもの
私が勤めているデイサービスに来ていたおじいちゃんが亡くなった
会話が出来る方ではなかったけれど、
笑ったときの穏やかな顔が優しかったのを覚えている。
永遠だと思っていたものが
ある日突然
この地上から永久に失われる
なんだか呆然としてしまった
悲しみというより喪失感
もうどこにもいないんだ
彼にとってこの地上での出来事すべては
いったいどんなものだったのだろう
幸せだった?
その最期の瞬間まで
みんなに見守られて
愛されて
旅立てたならいい
雨の音がなんだか切ない夏の夜