出産レポートしてみる。その2

ここのところ、息子君に「だっこかおっぱいくれてないと泣くぞ」ブームが到来。
なので授乳しながら書いてます(^^;)

レポートの続き!
長いのでお時間ある方どうぞ。。


吐き気と3分間隔の陣痛と闘いながら、
だんだん夜が明けてきた。。
痛みの合間に疲労でものすごい睡魔が襲ってきて、
1分くらい寝落ちするんだけど、
また痛みで起きるという魔のスパイラルに(TT)
もはや今何時なのかもよくわからず、とにかく痛みがつづく。。
知りたい事は、
とにかくいつ終わるのか?!ということのみ(^^;)

明け方、
子宮口がなかなか開かない&私の体力が消耗してきたので、
陣痛促進剤をうつことに。
同意書に本人がサインを書かなくちゃいけなくて、
ほんと痛くてそれどころじゃなーい!という乱雑な字に。

左腕に点滴の管が入って促進剤が体内へ。
痛みがどんどん強くなってくる。

産まれる前に排尿しておかないと赤ちゃんが出て来にくいそうで、
痛みのないわずかな時間にトイレへ。
しかし歩くのもやっと(><)
痛みでうまくできず、結局管を通して導尿してもらうことに。
これもちょっと痛かった(TT)

でも初めから導尿の方が楽な処置なのに、
トイレに行くか聞いてくれた担当の助産師さんに感謝(TT)
人としての尊厳を尊重してもらえるってありがたいことだ。
しかも痛くてパンツもおろせないので色々手伝ってもらう。
「痛いよね」「息をふーっと吐いて力を抜いてね」
「上手にできてるよ!」
など優しい言葉を沢山かけてくれてホントにありがたくて泣きそうだった。。
痛みの波がピークに達すると、助産師さんにすがりつきたい衝動にかられる。
大人だから我慢(TT)

たぶんこのへんで破水。
促進剤が終わったら、感染予防のための薬を点滴開始。

痛みが本格的に。
家にいたときの痛みとはくらべものにならないレベルで、
なんというか、腰をハンマーで中から叩かれてる感じ?
要は赤ちゃんが生まれようとして骨盤を広げて下にさがってくるので、
その痛みが陣痛というわけですな。
と今だから冷静に分析できる。

汗だくになりながらも、
とにかく痛みがきたら「ふーーっ」と息を吐いて身体の力を抜く。
目を開ける。リラックス〜
と思いながらも簡単にできるもんじゃないです(TT)
痛みで身体に力を入れすぎて、足が何度もつるのだけど、
それが柔らぐ暇もなく痛みで力が入ってまた足がつる。
後半は全身に力をいれすぎて震えがとまらず(><)

旦那さんは一晩中腰をおしたり、飲み物を飲ませてくれたり、
2人とも不眠不休(TT)
このあたりから「ふーー」っと息を吐くというよりは、
痛すぎて「うううううううーー」っと唸る状態に。
痛みに唸る私を見て、何故か旦那さんがすでに号泣(笑)
後できいたら「痛々しすぎてみていられなかった」らしい。

ものすごくいきみたいのだけど、
今いきんでしまうと赤ちゃんに負担がかかってしまうので、
いきむのは禁止。
「いきんじゃダメだよ〜」とは言われてもそれがすごい難しい。

ここまでくるともう痛み以外のことを考えたくなってくる。

枕元に機械のコードがあって、
痛みがない1分くらいの間それを見つめながら
「このコードはどこかの職人さんが丹精込めて作ってるんだろうなあ」
「このテレビの裏の配線はややこしそうだなあ」
とか訳のわからない方向へ意識をとばしてみたり。

もっと不幸な境遇の人の気持ちを考えてみたり。
「戦争で手足を失った人はもっと痛くて悔しかったはずだ!」
「重い病気の人は痛みの終わりが分からないんだぞー」
「私はまだ痛みの終わりがある!しかももう少しで赤ちゃんに会えるというご褒美もついてるんだからがんばらんとー」
などなど、疲労と汗だくの中考える。

助産師さんが
「赤ちゃんとっても優しい子ですよ〜お母さんを傷つけないようにゆっくりゆっくり出てきてくれてますよ」

いやいや、早く出てほしいんだけど!
と思いつつ、
そっか〜優しい子なのかあ、わたしもがんばらねば(TT)と決意をあらたに。

助産師さんが2名に増え、
「そろそろお産になりますからいきむ呼吸の練習しましょう」
ん?まだこれはお産じゃないのか?!
どうやら陣痛のがしとお産は違うようです。
ここまでは赤ちゃんが下りてくるまでのあくまで通過点。
ひいい

「強い陣痛の波が来た時にだけいきみますよ!」
「弱い陣痛の場合はいきまないでのがします。体力温存のためね」
速効でいきんで産んでしまいたい衝動にかられているのだけど、
それは駄目とのこと。

2回くらい呼吸を練習。
でももう痛くて早く産んですっきりしたいー(TT)

「もう頭が見えてますよ!(^^)」
ひええ

そうこうしているうちに、
病室に沢山のスタッフが!
2名だった助産師さんが、
ドクターや小児科のスタッフもきて、
総勢10名くらいの大所帯に?!
照明機材やいろんなものがセッティングされていく。
赤ちゃんを温める機械もスイッチオン。

おおーテレビで見る出産風景だわ!!とかぼんやり思いながらやりとりを聞いていると、
どうやら赤ちゃんの心拍数が急激に下がっているらしい。

「ちょっと心拍下がってるから応援たのみますー」と助産師さんが電話して、
いろんなスタッフが駆けつけてくれた。

「深呼吸ふかくして〜」
酸素ボンベをつけられる。
おお!酸素ボンベだーとか思っている場合ではなく、
いやいや、私そんなにやばいのか?赤ちゃん大丈夫かな(><)
と不安にかられる。

どうやらこの時、へその緒が赤ちゃんの首と肩の間に入ってしまって血流が悪くなり、
急激に赤ちゃんの心拍数が下がっていたそうです。
それですぐに取り出さないと危険と判断され、
急遽会陰切開と鉗子分娩に!

要は出口を切って、器具で赤ちゃんの頭をはさんで引っ張りだすんですな。
簡単に書くけどなんかすごいことだ(笑)

「ごめんね〜麻酔するね〜切るね〜」
とあっさりドクターに麻酔をされパチンと切られる。
しかし陣痛の方が断然痛いので、
切られるのはびっくりするほどどうってことなかったです。
蚊に刺されるようなもんで。

全てのセッティングが済むと、
外に出されていた旦那さんが呼ばれ、私の頭の右側に。
左側のベットの手摺のところには助産師さんが乗っている。。
乗っている?どうやらこの人は私のお腹の上に乗って押し出す係りの方のよう。
「お手伝いしますからね〜安心してくださいね」優しい笑顔(TT)
もうぐいっと押してくださいー!

足元にはドクターや小児科の先生も来ていて、
赤ちゃんが産まれたらすぐに処置をしてくれようと待ち構えている。
すごい大人数(^^;)ほんとありがたいことだ。

「旦那さんは奥さんの頭を支えて下さい」と指示され、
頭を足元にむけてぐいっと持ち上げて支えてもらう。
足は踏ん張って、手にはハンドルみたいなやるを握ってひっぱる。

一回目の陣痛は弱かったらしく(何故か助産師さんはそういう波が良くわかる)
「今回はのがします〜」
のがすの?!むちゃくちゃいたいよおお(TT)と思いながらふーーっと耐える。
「深呼吸〜赤ちゃんに酸素いっぱいあげるつもりでね」

2回目「いきみますよ!!」
「はい!」「ううーーーー」
「はい、胸で呼吸して〜」
いきみ終わると肺呼吸を促される。
まだ産まれないー

3回目「のがします〜」
ええー(TT)
「次で産まれますよ!」
おおお(TT)

4回目「はい!いきんでー!!」
うきゃあー(ジェットコースターで落下する時みたいな感じ)
ずるっという感覚とともに、
赤ちゃんが!!

「おめでとうございまーす!!(^^)」
「13時46分産まれましたよ〜(^^)」
「オギャーオギャー!!!!」

さっそくギャンギャン泣きまくる息子の声を聞いて、
夫婦で号泣しました(TT)

やっと会えた嬉しさと、
やっと終わったーという安心感で、
めちゃめちゃ泣けました(TT)
旦那さんは真っ赤な目で「ありがとう」と私に言ってくれて、
なんだかそれも無性に嬉しかった(TT)

すぐに赤ちゃんは処置室に連れて行かれるも、すぐもどってくる。
「赤ちゃん元気ですよ〜大丈夫だからね!」
ちょっと綺麗にされてタオルでくるまれた息子ちゃん。
よかったー無事で(TT)

胸のところにのせてもらったら、
すっごく熱くて、ギャンギャン泣いてて、
鼓動が伝わってきてなんとも不思議な気持ちになりました。
自分の中にこんな子がいたのか〜という不思議と、
自分達の子供なんだなという不思議さがあいまって、
なんとも言葉にできない感じ。
ちょっとのせたらまた処置室へ。

私のお腹にはアイスパットが乗せられ、子宮を冷やす。
子宮を収縮させて胎盤を出すため。
冷たーいと思いながらも我慢。。
少しするとずるっと胎盤が出た様子。

「お母さんの処置をしますからね〜」
旦那さんも外にだされる。
「切ったところ縫いますね〜傷がちょっと深いから20分くらいかかるけどごめんね〜」
「ひーん20分?!(TT)」と言いたいところを、
「はい〜」と我慢。

麻酔を追加して、チクチクチク。。
人生で縫われたことってなかったんだけど、なるほどこんな感じかあ。。
でも陣痛に比べたらほんと蚊に刺されるようなもんでした。

縫ってる間にドクターが
「自己紹介が遅くなってごめんなさいね〜僕は臨時のドクターなんだけど○○といいます(もう忘れちゃった笑)
普段あんまりいないんだけど、今日は土曜だったから担当させてもらいました〜」
「ああ〜」
なんとも世間話のような話題で、疲労で結構それどころじゃなかったんで適当に相槌(笑)
「この糸は溶ける糸だからそのままで抜糸はしないで大丈夫だよ。どうしても違和感がとれなかったら抜糸もできるからね〜」
テキパキ縫いながら色々しゃべってくる。
この時は縫われてる痛みでそれどころじゃなかったけど、
今思い返すと世間話で気を紛らわせてくれてたのかも。。感謝(TT)

20分後、「終わったよ〜頑張りましたね!おめでとうございます」
ひーがんばった(TT)
しかしまだまだ処置はつづくのだ。。

子宮の中に血がたまっていると良くないので、
押し出す!
助産師さんに「ちょっと痛いですよ〜鬼って言っていいですよ」
お腹を上からぎゅぎゅっと押される(><)いたいー
「おにーーー」
「赤ちゃんだっこしてリラックスね!」
あかちゃんが再度来て、
胸のところに置いておっぱいを吸わせる。
小さな口をあけてぱくっとくわえる。
産まれたてでもきちんと生きるすべを知っている。。すごい。
しかし気は紛れるけれどやっぱりお腹は痛い(^^;)

もろもろ処置が終わって、旦那さんや両親も部屋に入れるように。

産まれたてほやほや〜
頭が細長い!
インディジョーンズのクリスタルスカルか?ってくらい長い。
赤ちゃんは頭蓋骨を変形させて産まれてくる。
すごいなあ〜


こめかみに鉗子でひっぱられた傷あと。

鼻と口のラインが旦那さんにそっくりで、
助産師さんにも「パパ似だね〜」と言われる。

旦那さんは一目見て「かわいい・・!!」と息子ちゃんにメロメロ。写真とりまくり(^^)

記念すべき初だっこ。

「うわー怖い!」とガチガチのロボットのよう(笑)
だっこしてるだけなのに汗だく。

ちょっとしてから助産師さんに
胎盤みます?」
「おおーみたいです!」
「じゃあもってきます〜グロテスクなので御両親は外へどうぞ〜」
その後レバーみたいな胎盤を夫婦で見届ける(^^;)
かなり大きい胎盤だったようで、綺麗な赤い色をしていた。
「ここに赤ちゃん入ってたんですね〜」
胎盤の塊とへその緒が繋がってて、胎盤の膜をひろげると、
まるーい卵みたいな構造になっている。
すごい。この胎盤のおかげで約10カ月赤ちゃんが育つ事ができたのかあ〜
感謝感謝。
手袋つけて触る事もできて、
2人で「すごい!ぷるぷるだね〜」「レバーだね〜」と触る(笑)
結構不思議な構図。

なにはともあれ、もろもろひとまず一安心。。
2時間くらいはゆっくり横になる。へろへろ。。
昨日からまともに寝てないし食べてないし。

どのくらいの疲労かというと、
学校の夏の水泳教室の疲労度×100くらいかな。。
2週間くらいのロングラン公演をして、
打ち上げでオールしてカラオケで歌いまくって飲みまくって、
明け方始発で帰る時の疲労度×100とか。。
とにかくすごい疲労です。人生一番の疲労です。
というかこんな長文をここまで読んで下さっているあなた。
きっと疲労しているはず!
お付き合い頂きありがとうございます(TT)
もうちょい続きます。


少ししてトイレに誘導され、
ゆっくり立ちあがるが、
上手く歩けないのと目の前が真っ白に。。!!
トイレまではなんとか自力で行ったのだけど(10歩くらい)
結局貧血で車いすでベッドに逆戻り。
あとで知ったのだけど、
お産としては「出血多量」の領域だったらしい。
旦那さんは車いすで戻ってきた私を見て、
「もう一人産まれるのかと思った!」と。
そんなことはない(^^;)

もうちょっと休憩したのち再度トイレへ挑戦し、
なんとかできた。でも傷が痛くて泣きそうになる(TT)

夕方ごろ、
入院する病室へ車いすで移動。
大部屋の奥の外が見えるベット!
ベットで横になってちょっと安心。

ずっと担当してくれた助産師さんに本当に感謝(TT)
なんだか気持がこみ上げすぎて、
「○○さんのおかげで産めました(TT)ありがとうございました」
と手を握ってしまう私。
「産んだのは貴女ですよ(^^)私はお手伝いしただけですよ!
ほんとに冷静で頑張り屋ですね!
私も貴女のお産に立ち会えて本当に良かったですよ!」
とありがたいお言葉。
なんだかとっても泣けました。。

旦那さんや助産師さんたちがいなかったら、
ほんとに昨日からの痛みには耐えきれなかったと思う。
一人でなかったことにこれだけ勇気づけられた。。
貴重な経験でした。

まだまだ言葉にするには足りない気がしちゃうくらい、
私にとっては壮絶な体験だったのですが、
いよいよ長くなってしまったのでここらでやめます(^^;)
こんな死にそうに長い記事を最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました!!

次回は入院生活レポートしまーす(笑)
ここからも結構壮絶でした(^^;)

なにはともあれ、
ほんとに全てに感謝感謝の出産なのでした(TT)